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百人いれば百通りの夜がある、『百夜』に込めたのは無限の感情

12月18日(月)、毎年恒例となったバースデーワンマンライブで『百色-momoiro-』、『百花辞典』に続く3枚目のアルバム『百夜』をリリースする百山月花さんに、アルバムのこと、2日間にわたって開催するバースデーライブのこと、ファンからの質問についても尋ねてみた。

1. 最初にアルバムについて伺います。

今回のアルバムのコンセプトについて教えてください

3年目に作った3枚目のアルバムです、タイトルを『百夜』としました。『夜』って凄く想像力が沸いてくるし、色んなことを考えるのって夜だと思うんです。自分と向き合う時間だったり、嫉妬だったり、未来や過去を見るのも夜だし…、夜が一番自分らしい時間帯だなって思っていたことがあるんです。今回のアルバムは、11曲レコーディングを終えてもまだタイトルが決まってなかったんです。タイトルを決めようとして、収録した曲の歌詞を思い起こしてみると、感情を吐露している曲が多いな…、まさに自分と向き合っているアルバムだなと思ったときに、『夜』っていうのがぴったりだなって思ったんです。『百色-momoiro-』、『百花辞典』と続いたので、今回も『百』から始まると思っていた方もいるようですが、『百』にこだわっていたわけではないんですよ。凄くさわやかな恋愛だったり、ちっちゃい子が出てくる曲だったり…、色んな人の想いが色んな曲調で登場します。十人十色みたいに、百人いれば巡らせる思考は百通り、それで『百夜』と決めました。

収録されている曲について教えてください

  1. 青春は日焼け色
    野球一筋の男の子を好きになった女の子の恋模様を描いています。野球ばっかりしていて全然気づいてくれないもどかしさと甘酸っぱさが詰まってます。
  2. hurry!!
    待ち合わせをしていて、もう家を出る時間なのに、寝坊したとか、服が決まらないとか、鍵が見つからないとか…、ありますよね(笑)そういう焦っている曲です。遅刻するけど、素直で一生懸命さには最後に救いがありますよ!
  3. which?
    恋愛は必ずしも好きだって思ったら成就するわけではないし、好きだって思って貰ったからといってその人を好きになれる訳ではないんです。恋愛感情というのは自分勝手な感情だから誰かを必ず悲しませてしまう。そんな恋愛です。
  4. feeling over
    将来の夢…それは歌であったり、芝居であったり、スポーツだったり。目指すのは簡単だけど、何年もかけてのめり込んでしまったら、もしかしたら無理なのかもって思ってもなかなか辞められないことがあると思うんです。でも本当の気持ちは心しか知らないし、絶対心には答えがあるはず。自分と向き合ってみて下さい。
  1. オーラス
    all last(オーラス)という言葉を知った時凄くしっくり来たんです。日本語は好きですが、英語ですんなりきた言葉ってあまり無くて、このオーラスという綺麗な言葉をタイトルにした曲を作ってみたいって思いました。男女の感情的なオーラスを楽しんで欲しいです。
  2. ピーマン
    私はクレヨンしんちゃんが好きなんですけど、彼はピーマンが嫌いなんです。子供達がピーマンを嫌わないでどうか克服して欲しいという思いで、擬人化したピーマンの気持ちを描いてみました。
  3. くつ、みちをゆく
    『お洒落は足元から』とか『足元見られるぞ』っていう日本語があるように、足元ひいては靴って結構特別な存在だなって思っているんです。靴を履き替えて気持ちをリセットするような曲です。
  4. オトナ
    『大人ぶる大人』みたいな感じで、年がちょっと上なだけで偉そうに振舞う人っているじゃないですか…、大人っていう肩書を持っているだけでそんなに偉いですかね?大人ってそういうことなんですか?という思いです。
  1. 荒山
    群馬県の荒船山はクレヨンしんちゃん作者、臼井義人先生が亡くなった山です。このニュースがあり世間で臼井先生に対しての勝手な憶測がとてもたまらなかったです。
    この歌詞、きっと見た目は暗いです。でも本当は愛が溢れています。憶測ってそういうもんです。タイトルもわざと船まで書かずに表面一文字の荒しか使っていません。
  2. 内部告発
    世界には色んな職業があって色んな業界がありますけど、各々できっと不平不満があると思います。そんな思いをした事がある方が共感してくれると嬉しいです。
  3. 青い夜
    眠る前に今日の反省をして、昨日と同じような人生を生きた、明日も同じ。でも、いつも通り人生を過ごしても自分も年を取るし、周りも年を取ってくるから、環境は常に変わる。今退屈だと思ってもあの時は良かったと振り返る時が来るし、どんなに悩んだとしても、そんな悩みも時とともに忘れてしまう。自分も生きながら変わっていく常の様なお話です。

ファンからたくさんの質問をいただいたそうですね

私のCDには会場購入特典というのがついていて、ネット通販や店舗ではなく、実際にライブ等の会場で買ってくれた方にお渡ししている特典です。
アルバムの会場購入特典は毎回、ファンの皆様から集った質問に答えているんですが答えきれない質問ばかりでいつも溢れていたんです。本当にお願いなんですけど答えられなかった質問の一部をこの場をお借りして3つだけ掲載させて下さい!!

  1. 女優としてやってみたい役やジャンルは?
    DVを受ける女性の役と結婚詐欺師はやってみたいです。悲劇的なジャンルでプライベートの人格まで変わるくらい打ち込んでみたいですね。
  2. 曲毎に声色が変わるけど、どうやって録音された声をイメージするの?
    録音後や編集後の声はある程度予想できる様になりました。それに機材知識も少しずつ付けてきたのでエンジニアさんへの依頼もイメージから乖離せず的確になって来たと思います。再現のコツとしては、ここでビブラートかけたいなとか、地声よりファルセットかなとかいう、歌唱の事はあまり考えず歌詞の主人公の立場になってみて、悲しければ悲しい顔、嬉しければ微笑みながら歌うと音符に人格が芽生える様な気がします。
  3. 1st、2nd、3rdの特徴や違いは?
    1stはアイドル時代を経てシンガーソングライターになった百山月花の恩返し。レパートリーの放出。
    2ndは私の音楽史を振り返った時に影響を与えた曲調や歌詞の引用表現方法、生い立ちの放出。
    3rdは今までに経験した喜びや鬱積、心情人格の放出。

です!ありがとうございました!もちろん本編「百夜」の会場購入特典には別の質問にお答えしております。是非とも本編もよろしくお願いします。

最後に2日間にわたるバースデーライブについて教えてください

12月17日(日)ライブについて

バースデーワンマンの前夜祭なので、『今から祝え!』というタイトルのもと、新宿Cat’s holeで初のバンドライブをすることにしました。Cat’s holeはバンドで出演する方が多いので、「いいなあ」って思いつつも、いつも私は一人寂しく出ていたので、いつかバンドとして立ちたいなって思っていたんです。メンバーは、私の曲を好きになってくれそうで、なおかつ、長期にわたって私と仲良くしてくれそうなミュージシャンにオファーしました。構成は、ギターボーカルを担当する私、ギター、ベース、ドラム、キーボードの5人編成です。実は当日使用する二段キーボードの片方は、私が持っているものなんです。レコーディングに使う機会があってもなかなかライブで弾くにはそこまで使いこなせなくて、初めてここで使ってもらうことにしたんです、なのでキーボードにとっての初ライブでもあるんです。

私のバンドのイメージって、映画『LR Lost Road』に登場する私の演じた『パンク・ストライク』だと思われそうですけど、パンストはパンストで私の大切な音楽史の一部。ここでは、バンドでやれたらいいのになあって思って作った曲とか、ファンの方から「バンドで聴いてみたい。」ってよく言われる曲とかを、私が思い描いていた形で表現するつもりです。なので、普段と変わったパフォーマンスをしてみる!というよりは、ようやくやりたかったことを実現できる!という感じなんです。

12月18日(月)の当日ライブについて

バースデー当日は、毎年ホームとしてライブをさせて頂いている下北沢ブレスでワンマンを行います。過去3年間、バースデーライブがレコ発イベントとなっています。意識的ではないですけど、なんとなくセットリストは新アルバムのテーマに沿った選曲をしている気がします。今回のテーマは、『気持ちの吐露』なので、私が今まで抱いて来た気持ちを吐き出すような曲が多くなっていると思います。バースデーライブは、毎年2部構成にしていて、15分の衣装替えの間にゲストにパフォーマンスをして頂きます。今回は、声優で役者としても活動している音羽さんにお願いしています。いつも通り、前回のライブ以上に頑張りますので今年も!来年も!!末永くよろしくお願いします。