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まだ中学生になったばかり、可能性は無限大です、これからもいろんなことに挑戦します

日本民話をもとにしたボイスドラマや、WEBサイトの広告、映画の子役などをさせていただいている上市萌華、12歳です。小さい頃から芸能のお仕事に興味があって、何かひとつに決めずに、なんでも挑戦しようという気持ちでやってきました。

芸能のお仕事に興味を持ったきっかけを教えてください

2歳のとき、フィギュアスケートの浅田真央さんらの演技を見ていて、衣装が可愛いので、憧れました。その影響で最初はスケートがやりたかったのですが、近くにスケートリンクが無かったこともあり、それならとバレエを始めたいと思いました。「私はバレエをするために生まれてきました。」といって、両親を説得し、近所のバレエ教室で習ったのが最初です。バレエはピアノの曲に合わせて踊るのですが、今度はそのピアノの曲が気になってしまい、ピアノも始めたくなってしまったんです。それだけでなく、ドラマや映画を見ていていいなって思う曲があると両親にCDを買ってもらっては、何度も聴いていました。ジャズのテイク・ファイヴとか、ABBAのダンシングクイーンとか映画『Stand by Me』のサントラが特にお気に入りでした。自分の中で最初に芸能界に憧れたのは、NHKのEテレでやっていた『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』を見ていて、メインキャラクターのまいんちゃんを演じていた福原遥さんに影響されたときだと思います。そのときは、どう頑張ってもこんなに可愛い子にはなれないけど、芸能界のお仕事っていいなって思っていました。

その後、芸能のお仕事をするためにいろんなことに挑戦したとのことですが

はい、小学校3年生の時、神奈川県藤沢市のテラスモール湘南ゆかたコンテストに応募して、キッズ部門でグランプリをいただきました。このときは、夏休みの日本舞踊講座の帰りにたまたまポスターを見かけました。弟がゲスト審査員のつるの剛士さんに会いたいと言うので応募したんです。朝顔柄のピンクの浴衣を着て、弟とペアで出場したのですが、まさかグランプリをいただけるなんて思っていなくて本当にびっくりしました。私にとってこれが最初の芸歴といえるのかもしれません。

また、翌年の1月10日、110番の日に厚木警察署の一日警察署長もさせていただきました。全国小学生作文コンクール『わたしたちのまちのおまわりさん』に応募した作文で読売新聞社賞をいただいたのがきっかけです。これは、小学校2年生のとき、学校帰りに怖い思いをしたことがあって、その後、市のパトロールの方が登下校を回ってくれたり、おまわりさんも何度も家に来てくれたり、警察の方々がこんなふうに街の安全を維持してくれているっていうことをお礼も兼ねて書きました。受賞を受けて、読売新聞に私の取材記事が載りました。それを見た方が私を一日警察署長にと推してくれたそうです。おまわりさんの制服を着て、警察所長のバッチとたすきをつけて、本厚木駅前でティッシュなどを配って、街の安全を呼びかけました。

他には、あつぎ飯山桜まつり『いきものがかりカラオケ大会』で『じょいふる』を弟と一緒に歌って特別賞をいただきました。『特別賞』はもともとは無かったんですが、審査員をされていたいきものがかりの吉岡聖恵さんのおじいさんが、「何か賞をあげたい」と関係者の方に掛け合ってくれたそうです。私たちは長い石階段を下りて帰りかけていたのですが、薄暗がりの中を関係者の方がわざわざ探し出してくださいました。それで、「賞品を用意してるから待って」と。その間、吉岡さんのおじいさんとお話したり、記念写真を撮ったり、握手してもらったり、本当に嬉しかったです。帰り道の石階段の提灯の灯り、そして夜桜がとても綺麗だったことを印象的に覚えています。

意識して、芸能の仕事に取り組むようになったきっかけがあったそうですね

はい、アメリカで4年に一度、国際子ども芸術財団(ICAF)が主催する芸術のオリンピック『アートオリンピアード』というのがあって、そこで展示される日本代表作品を決める絵画コンテストに応募しました。そこで、ワシントン賞をいただきワシントン・モール国立公園で4日間行われる『世界子どもフェスティバル』に参加できることになったのですが、両親は私を人に預けることを心配して、結局アメリカには行かせてもらえませんでした。それで「私が芸能のお仕事をやりたいことを知っていて、いろいろとお稽古はさせてくれるけど、実際に遠くに行くとかになると行かせてくれないんだ。一生懸命頑張っているのに、私の努力は無駄になっちゃう。」って、両親に訴えたんです。そんなことがあって、母は今後はできる限りの協力をすると約束してくれて、いろんなオーディションの情報などを私に教えてくれるようになりました。今では、私のマネージャー的な存在になってくれて、本当に感謝しています。

日本民話のボイスドラマに出演したのはその後ですね

はい、日本民話シリーズ制作委員会が主催するボイスドラマCD『ふとっちょネズミとひょろひょろネズミ』に声優として出演しました。これは、インターネットに募集が出ていたオーディションに応募したんです。これまで声優の経験は無かったのですが、書類審査に合格して、面接ではカメラの前で台本を読んだり、応募のきっかけなどを聞かれたりしました。そうしたら、合格して主役のひょろひょろネズミ役をいただきました。その後も新しい作品があると声を掛けていただき、『サルの悪知恵』では語り手、別シリーズですが『ネコ事情~チビのお散歩編』で主役のチビ役を演じさせていただきました。つい先日ですが、新作の『うさぎのお茶会』では、ゲストとして呼んでいただきました。はじめての一人4役で、それぞれ、声を使い分けたつもりですが、地は一緒なので、うまく使い分けられたかどうかはわからないです。日本民話シリーズは、毎回ゲストがいるのですが、『世界の車窓から』の石丸謙二郎さんとか、『キューティーハニーF』で主役の永野愛さんとかがゲストに呼ばれたりしている中で、声優経験も殆ど無い私がゲストに呼ばれ、本当に”何故?”と驚きでしたが、大変光栄でした。

それでは、初めて出演した映画について教えてください

小学校4年生の時、米澤成美監督の『やりすごそうよ』に出演したのが最初です。ある事務所から紹介をいただき、出演させていただくことになりました。初めての映画で大喜びしていたんですが、台本を見たら階段から落ちて死んでしまう役でした(笑) 。他に、主人公の幼少期との二役させていただきましたが、何から何まで初めてのことで、わくわくしたし楽しかったです。これをきっかけにもっと映画にも出てみたいなって思うようになりました。この作品は、その年、豊洲で行われた新人監督映画祭にも出展され、レッドカーペットを歩かせていただきました。突然言われたので何のことだと思ってびっくりしましたが、ラッキーでした。石田純一さんが司会をしていたこともあり、多くのお客さんが見てくれ、手を振ってもらえて、なんだか有名人になった気分になりました。まだ公開されていませんが、今年になって内藤瑛亮監督の『許された子どもたち』に出演しました。この作品では、主要キャストのクラスメイト役で同じ班に入れていただき、たくさん刺激を受けました。自分の名前がそのまま役名で、靴箱には名前が書かれていて、本当にこの学校に入った感じがしました。同年代の趣味や特技のいっぱいある個性的な人がたくさん集まったクラスは短い期間でしたが、最後は卒業式のような気持になりました。公開が待ち遠しいです。

WEBサイトの広告にも出演されたそうですね

昨年、本間名音監督のWEB広告の子役「小学校1~4年生程度」というのに2歳下の弟が応募しました。どうせ会場について行くのだから、ただ待っているよりも勉強になると考えた母が、面接日時も決まってから、ダメ元で「小4の弟と身長のほとんど変わらない小6の娘がいるのですが興味ありませんか?」と、監督に交渉してくれたんです。台本は、強盗を真似たシーンがあったりして、男の子が希望なんだろうと感じたのですが、私が合格しました。でも、弟もこれをきっかけに、監督の短編映画に出演できたので、二人ともいい結果になりました。

弟も芸能の道に進もうとしているそうですね

はい、弟が二人いて、先ほどお話しした2歳下の弟(貫人)はミス・ユニバース・ジャパンが主催する『ミス&ミスター・ミニ・コンテスト』の初代のミスター・リトル・ジャパンにも選ばれています。貫人は小さい頃から「ヒーロー役をやってみたいから、ジュノンボーイになるんだ」と言っていました。『仮面ライダーW』を毎週見ていたので、菅田将暉さんに憧れて いるようです。年長で5歳の弟は、最初のうちは芸能に全く興味がないようでしたが、3人の中では一番キュートな顔立ちで、最近になってアイドルになりたいといっています。昨年、古本恭一監督の『Imperfect world』の子役募集があった時に、オーディションに姉弟3人で参加させてもらいました。それで、3人とも役を頂けました。貫人は、とってもいい役を頂いて、その読み合わせにお邪魔させてもらったら、その日はたくさんの素晴らしい俳優の方が集まり、目の前でその芝居が観れた夢のような空間でした。私たち姉弟は相乗効果でいろいろ得をしていると思います。

それでは、最後に今後の活動について教えてください

まだ経験は浅いですが、演じることが楽しくて、みんなで協力して作品を作っている現場の空気が好きです。今後もいろんなことに挑戦していきたいです。子役として演じることはもちろん、音楽も好きなので、ピアノだけでなくギターの弾き語りもやってみたいです。オリジナルの曲を作ってシンガーソングライターとしても活動できればいいなと思っています。また、ハリーポッターを読んで影響されたのですが、小説も書いてみたいです。ファンタジー小説をいくつか書きはじめてますが、なかなか時間が取れなくて、まだどれも完成していません。読者は今のところクラスメイトと弟です。弟からも急かされているので、早く書き上げたいと思います。いい作品ができたら、出版社にも持っていきたいです。また、2年前に参加した市民ミュージカルで習った皿回しで大道芸に魅了されて、チャイナリングとかトランプマジックとかも練習しています。新しい特技にできればいいなって思っています。