· 

多くの方との繋がりがあったからこそ今の私がいます

静岡県出身、フリーの役者・モデル、鈴木茉吏奈(すずきまりな)です。芸能のお仕事を始めてまだ2年ほどですが、多くの方にお世話になりながら、お仕事をさせていただいています。これまでに、短編映画『ハングドマン』、『Wish upon a STAR』、舞台『とある屋敷の殺人事件』、朗読劇『アズ劇』への出演、ファッションショーやポートレートモデルなどいろいろな経験をさせていただきました。今後は、私自身とは全く正反対の役柄、悪役や小悪魔などにも挑戦したいし、調理師免許を持っておりますのでそれを活かして、食べることや、料理に関するお仕事もしてみたいです。

役者になろうとしたきっかけを教えてください

はい、子供の頃は、あまり芸能界に対して興味はありませんでした。でも写真を撮られるのが好きで、お母さんにカメラを向けられるといろいろポーズをとったりして楽しかった思い出があります。幼いながらもいろいろな表情をして、可愛く撮ってもらいたいという気持ちがあったのだと思います。調理をしたり、食べることが好きで、学校卒業後、一度飲食業界に就職しましたが、2年経ったある日、「このままでいいのか、若いときにしかできないことがあるんじゃないか。」と思い立ったんです。

インターネットで自分は何がやりたいのか…、いろいろ調べているうちに、ブライダルモデルに眼がとまって、すごく興味を持ちました。それで、モデル事務所を探して、所属することにしたんです。ただ、そこはブライダルモデルというよりはファッションショーを主にやっている事務所だったので、ウォーキングと演技のレッスンを受けながら6回ほどファッションショーに出演させていただきました。この時点では、まだ役者になろうという気持ちがあったわけではありませんが、モデル事務所に所属したことが私の役者としての始まりとなりました。

ファッションショーに何度か出演したとのことですが…

最初に出演したのは2年前の夏でした。ファッションショーといっても有名なものではなく、事務所が主催する小規模なもので、お客さんは100名~200名程度、その多くは関係者、身内、友達が中心だったと思います。モデルも多いときで50名ほど出演していたので、どのモデルも事務所から指示された洋服で1度だけランウェイを歩くという感じでした。ただこのファッションショーは少し変わっていて、メインとなる洋服は決められているものの、それ以外のアクセサリーとか、靴とか、カーディガンなどは、自分で自由にコーディネートして着こなすというものでしたので、毎回、自分なりにいろいろと工夫しました。

 

ファッションショーのモデルにとって、歩く際の姿勢はとても重要であると認識していたので、体が衰えないようにストレッチを怠らず、普段から胸を張り、脚を引き締めて歩くということを心掛けていました。最初は緊張していましたが、『見られる』ということを経験しながら、何度か出演を重ねることで徐々に緊張が解け、堂々と胸を張って歩けるようになりました。

その後、舞台に出演したんですか

はい、去年の春に、『とある屋敷の殺人事件』という舞台にメイド役で出演しました。モデル事務所で演技レッスンを受けているときに知り合った方から、主演の役者が出られなくなり、代役を探していて、その雰囲気が私に合っているということで誘っていただいたんです。その時点で、私は3~4回の演技レッスンは受けていたものの舞台は未経験で、自分にできるか凄く不安でしたが、せっかくいただいたチャンスだと思い、頑張ってみようと思ったんです。私は身長が150cmとモデルとしては小さいので、モデルから演技へと転身してみようかなって考えていた時でもあったので、これが背中を押してくれる形となりました。

ストーリーは、屋敷の主人が殺され、私を含め関係者が容疑者としてあがってくるんです。でも担当した刑事さんがちょっと面白くてコメディチックなところがある事件ものでした。私にとって、初めての舞台、しかも主演、出演が決まってから本番までの1か月間、とにかく覚えることが多くて大変でした。バイト中もぶつぶつセリフを反復し、帰宅してからは鏡の前でフリの練習をする毎日でした。演技の基礎がついていなかったので、それでも思うようにできず、監督には叱られてばかり、正直、舞台はこれが最後にしたいって思ったこともありました。それでも頑張った甲斐あって本番では稽古以上の力が発揮できたと思います。終わってみれば、達成感が凄くあって、また出演したいと思うようになっていました。

映画では初出演の作品が主演だったそうですね

はい、昨年の秋に公開された短編映画『ハングドマン』です。これは、『巡る✕シネマ✕café』という池袋のカフェやバーとインディーズ映画の監督がタッグを組んだ映画祭で上映するためのものでした。これもモデル事務所主催のファッションショーで出会った方からの紹介で出演したものですが、初めての作品が、いきなり主演に抜擢していただき、大きな刺激となりました。エキストラの経験はあったのですが、以前より、セリフ有りで映画に出演したいという願望があったので、自分の想いが叶った感じです。一度舞台を経験した後だったので、自分なりに満足のいく演技ができたと思っています。

私の役柄は、仮の姿は素朴な女の人、真の姿は『ゴブリン』と言う謎の人物、ストーリーは、そのゴブリンが残した言葉を軸に、それぞれの思惑が錯綜するというものでした。この作品を通じて、『舞台』と『映像』の演技の仕方の違いを実感させていただきました。舞台では、会場すべてのお客様がわかるように、どちらかといえばオーバーなお芝居をするのですが、映像では大げさな演技は違和感があります。繊細な心の気持ちが映像に映るので、自分自身がその気持ちにならないと表現できないんだなって思い知らされました。本作品は、YouTubeでも見られますので、一度ご覧いただけると嬉しいです。

ポートレートモデルも行っているそうですね

ポートレートも舞台・映画同様、モデル事務所時代の繋がりからいただいたお仕事で、ファッションショーのカメラマンさんからの依頼で撮影していただいたのが最初でした。これまで何人かのカメラマンさんに撮影していただいておりますが、同じカメラマンさんだとどうしても撮り方の癖とかが出てしまうので、私はできるだけいろいろカメラマンさんに撮っていただきたいという気持ちがあるんです。なのでSNSを通じて、自分で声を掛けさせていただいたり、カメラマンさんの繋がりで紹介していただいたりしています。

 

最初はポージングなど、インターネットで検索して勉強したり、見様見真似で試したりしていましたが、舞台に出演した後くらいからは表情の大切さを学び、意識するようになりました。表情って作ろうとするとやっぱり顔の筋肉がかたまってしまうので、悲しい感じとか、冷たいなあとか、今では五感を使って作るようにしています。ポートレートモデルはすごく楽しいので、今後も続けていきたいと思っています。

最後に、今後の活動についてお話しください

はい、TwitterやFacebookを通じて、私のファンの方が全国各地にいるので、もっと全国で活動を見ていただけるようなお仕事をしていきたいです。私の地元は、静岡市なんですが、 いつも家族や友人、親戚の方が、わざわざ東京まで舞台や映画を見に来てくれるんです。なので、皆さんに恩返しするためにも全国区の役者になりたいんです。そして、NHKの朝ドラに出るのが夢なんです。

 

当面は、今を大事にして、夢に向かって突き進んでいきたいんです。これまでもいろいろな繋がりがあったからこそ、こうしてお仕事をさせていただきました、確信は無いんですが、これまでの『繋がり』を大事にしていけば、夢は叶えられるって思っているし、なんとなくできるんじゃないかなっていう自信もあるんです。映画の出演にしても舞台の出演にしても、思ってもいなかったところからお話をいただきました。今後は『夢』を『確信』に変えられるように努力していきたいと思います。告知になりますが、今年の12月に私が主演する舞台があります。まだ詳細は決まっておりませんが、皆さまに応援していただけると嬉しいです。最後まで読んで頂き本当にありがとうございました。